マイナーな言語ならでは?!フィンランド人の英語力が高い理由について考えてみた

フィンランド

そんなこと、私大学に入るまでしたことなかった…

教育大国としても有名なフィンランド。

今のところ英語をうまく話せない20-30代のフィンランド人にはあまりあったことがありません。

フィンランドに旅行中も英語が通じなくて困ったことはあまりないのではないでしょうか?

English

 

本記事ではなぜフィンランド人は英語力が高いのか教育面生活面から考えていきたいと思います。

筆者のヨエンスーでの現地校見学の体験がもとになっています。都市などで少し異なるところもあると思いますが、ご了承ください。ヨエンスーについてはこちらの記事で紹介しております!また、本記事は小中学校の教育に焦点を当てています。

 

 

 

教育面

日本と全然違う小学校の英語教育

これは日本の小学校と中学校での教育と比べて決定的に違うところだと感じます。

 

私がよく見学に行っていた小学校では1年生から英語の授業がありました。

 

サキ
サキ

私の時代は中学校から英語を学校で学習し始めたので、そのころと比べると、中1と小1が同じことを習っているということ…恐ろしいです…

 

 

 

1年生から英語の授業が始まるとはいえ、2年生くらいまではあまり授業という授業はせず、英語でカードゲームをして遊んだり、お絵描きをして、その単語を英語で答えるというような英語に慣れていく授業が大半だったように感じます。

 

その学校ではもともと1,2年生が同じ時間割だったので、2学年が混ざって授業を受けていました。

 

英語の授業だけではなく、他の授業もほとんどが教科担任制で、だいたいが10人から15人程度の少人数のクラスで授業を受けます。

 

2年生の授業ではフィンランド出身の大人気キャラクター・ムーミンが世界を旅行するというコンセプトで授業が進められていました。ムーミンが世界旅行するときに国の名前や特産物、食べ物、服、スポーツなどの英単語を覚えていくというような内容です。

ムーミンなどのキャラクターがいると、子供たちの気も引けるし、いいですよね!

moomin house

 

 

3年生から授業はどんどんと本格化していくように感じました。

先生は授業の8割英語を使っていました。子供たちは完璧に理解しているような感じもありませんでしたが、話の文脈や先生のジェスチャーなどから英語を理解しているような雰囲気です。

 

私が印象的だったのは4年生の英語の授業です。

その授業では英語でヨエンスーの町についてビデオを作るというクラスでした。

ただビデオを作るのではなく、あるスペインの姉妹校とお互いの町についてのプレゼンを出し合うというような発展的な授業です。

サキ
サキ

そんなこと、私大学に入るまでしたことなかった…

 

これは本当に印象的な授業でした。1回目ではスペインの姉妹校があるスペインの町についての情報を先生がスクリーンに映し出して、ウェブサイトを見せたり(もちろん英語です)、地図を見せたりします。

それからはヨエンスーについてのことを調べて、そのことについてグループで文を作ります。

もちろん、完璧な文が作れるほどの英語力がある生徒はほぼいないので、先生が添削します。が、すでにとてもハイレベルな英語でした。

 

 

 

私が見学していた学校では5年生対象に特別なカリキュラムを実施していたので特殊かもしれませんが、私が見学に行った時にはどこの出身か聞いてきたり、日本というと、何のアニメが好きとか、このキャラクターが好きとか、子供たちからもちろん英語でたくさん話しかけてきてくれました。

 

 

より発展的な中等英語教育

 

現地の中学校の英語教室も見に行く機会がありました。

中学生にもなると、文法より会話の練習やリスニングの練習が自然と多くなるようで、私が見学した9th grade(中学3年生)の英語のレッスンに本当に驚かされました。

 

教科書に有名人?!

 

そうなんです。フィンランドの英語の教科書にはたくさんの著名人の写真や演説が載っています。(写真撮っておけばよかったと後悔)

私が見学したのはリーディングのレッスン。

教科書を見せてもらうと、どのページにも有名な人の写真が…イギリスやアメリカを中心とする歌手やモデル、大統領の演説などが載っていました。

 

サキ
サキ

日本ではニューホライズンがまだ使われているのでしょうか…私の時はグリーン先生がメインキャラクターで、特に有名な人の写真が教科書に載っているなんてことはありませんでした。

 

見学した授業では著名人6人の演説が書かれていて、ペアになって読み、意見を交換します。

 

先生も生徒も、この授業で使用できる言語は英語のみでした。

 

世界で何が起きているかもわかるし、自分の意見を英語で表現することもできるし、一石二鳥ですね。

 

これは日本の教科書にもぜひ取り入れてほしいと思いました。その前に先生も全部英語でできるくらいの英語力があるといいのですが。

 

クラスの生徒は私(一応TOEIC935点)よりも上手い英語を話していました。

 

しかし、教育面だけではなく、この年代になってくると家でも英語に触れる機会が多くなる子が多いんです。

 

「フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか」
「フィンランドの小学校英語教育–日本での小学校英語教科化後の姿を見据えて」
というこれらの本は英語教育だけではなくフィンランドの教育についてもわかりやすく書かれていますので、興味のある方はぜひ。

 

 

生活面

ゲームで英語を学ぶのが最短の道?!

日本でも子供にオンラインゲームが人気なように、もちろんフィンランドの子供たちもオンラインゲームが大好きです。

 

実は、私の夫も含め、フィンランド人の友だちはほとんどゲームで英語が上達したと言っていました。

 

 

フィンランドは人口600万人弱の小さな国です。

そのことから、フィンランド語の話者も日本とくらべると圧倒的に少ないマイナーな言語です。

 

フィンランド語の話者が少ないため、フィンランド語に翻訳されているゲームはごくわずかです。
例えば、どうぶつの森やポケモンのゲームはみんなフィンランド語でではなく、英語でするのです。
サキ
サキ

英語しか選択肢がないということなんです。

 

 

日本に置き換えて考えてみましょう。

日本は世界に誇る任天堂をはじめとして、多くのゲームがありますね。それらの日本で作られたゲームを英語でわざわざするという考えになるでしょうか?

 

私は99%日本語ですると思います。

 

ですが、フィンランド人の子供たちにとって、おそらく第一言語であるフィンランド語がそのゲームの設定言語の選択肢にないのです。

 

おそらくスウェーデン語が分かる子供もいるかと思いますが、それでも英語とくらべるとマイナー言語なので、すべてのゲームにスウェーデン語やフィンランド語があるとは思えません。

 

ということで、英語を選択する人が多いのです。

 

そして、ゲームなので、「もっと頑張りたい!」「このレベルをクリアしたい!」などといったような感情が出てきて、わからないワードを調べるようになる、または、やっていくうちに自然に身につくんです。

 

 

 

 

映画やエンターテイメントも英語上達につながっている

フィンランドの映画館に行くと、だいたいの英語の映画は字幕バージョン(フィンランド語とスウェーデン語)が上映されています。

ほとんど、吹き替えはありません。

 

動画配信のサービスも同様、吹き替えはほとんどなく、フィンランド語の字幕すらないことも多いです。

 

日本語の映画館を見てみると、字幕より吹き替えの方が時間が多く設定されていることが多いですね。

そして、ディズニーなどの子供向け映画では吹き替えのみ上映の映画館も少なくないですね。

 

字幕の映画でもリスニング力は鍛えられるはず!

 

また、人口が少ないので、例えば、料理やDIY動画なども英語で探す方がコンテンツも断然多いので、そのようなところで日常的な動画配信サービスで英語に触れる機会も多いようです。

 

日本は人口も多いので、調べたいことを日本語でチェックしても動画もブログもたくさん検索結果が出てきますから問題ありませんが、もともとの人口が少ないということで、自然と日本人よりも英語に触れる機会が多くなっているんでしょうね。

 

サキ
サキ

うらやましいような、うらやましくないような。
でも、学ばないといけない環境だから、学ばざるを得なくなって自然と身につくのかもね。

 

 

 

まとめ

正直、フィンランド人の英語が達者なのは教育システムが充実しているからとばかり思っていました。

でも実は生活面からも英語に触れる機会が多いということをこちらに来て知りました。

日本では英語で書いていても間違っている表記があったり、英語を理解できるけど、うまく話せないと思う人がとても多いですね。

確かに、フィンランドの教育システムのおかげで大半の子供たちは英語の基礎的な知識と表現力を身に付けるのだと思いますが、生活面でも大きな影響があるようですね。

感慨深いです。

サキ
サキ

これからもフィンランドでのライフスタイルなどいろいろなトピックについて扱っていく予定ですので、ぜひまたこのブログに遊びに来てください!

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