フィンランドで起業!月々約10万円最大12カ月の起業手当は移民でももらえる?!

フィンランド

私はフィンランドで日本語教師兼Webデザイナーとしてフリーランスワークをしていましたが、

今年2022年に入り、ついに起業しました

 

フィンランド長期留学をして、移住してきてから1年半ほどが経とうとしていますが、ついに自分のビジネスをスタートすることができてとてもうれしいです。

 

フィンランドに移住する方法としてビザ(在留許可)でも「起業ビザ」というものが存在するくらい、フィンランドは移民が起業するときにも積極的にサポートをしてくれます

 

私はまだ起業手当をもらっていないのですが、もらえることは決定したので、その手続きなどを本記事でシェアしていけたらいいなと思います。

 

 

起業するときの流れ

下準備

まず町の起業したい人たちのための機関に連絡することになるので、その人たちにざっくりはビジョンを説明できるようにしておきましょう。

・どんな会社?ビジネス?
・誰に?(フィンランドなのか、EUなのか、日本なのか、など)
・どこで?(オフィスを構えるのか、店を持つならどこで、家で etc.)
・どのような在留許可を持っているのか(そもそもビジネスができる在留許可なのか)
・最終学歴、専攻、資格など(予定しているビジネスと関係があるのであれば特に)
この辺は最低でも用意しておいた方がよさそうです。
私は特に何も用意せずいきました。私の中でやりたいことは決まっていたので、自分の言葉でその時に説明をしました。

 

用意していて、損はないと思います。

フィンランドの在留許可にはA、Bなどのアルファベットが記載されているのですが、いくつかのアルファベットが記載されている在留許可ではそもそも起業すらできないこともあるそうなので、調べてみるか、初回の相談の時に聞いてみるといいと思います。

 

①町の起業支援機関に連絡する

フィンランドでは町によって起業したいときに連絡するところが違います。

ヨエンスーではBUSINESS JOENSUUというところがこの起業支援機関に該当します。

起業支援機関とは私が勝手に呼んでいるだけなのですが、、、(笑)

 

ヨエンスーではBUSINESS JOENSUUという名前ですが、他の町では全くちがった名前です。

例えば、ヨエンスーのお隣のクオピオでは名前はKuopionseudun uusyrityskeskusです。
この太字のところ+町の名前で検索するとヒットするはずです。
小さすぎる町であれは近くのところに問い合わせることになるかなと思います。

が、どれも民間の企業というよりは政府よりの機関なので、住んでいる町のところで無料相談をお願いするといいと思います。

 

前述したように、起業支援は基本的にフィンランド政府からの補助になりますので、どれも違いはなく、相談はいつでも何回でも無料です。

 

 

私はとりあえず、Luotsiというところが開催していたヨエンスーのBUSINESS JOENSUUのような機関に問い合わせることにしました。(2021年10月)特に理由はなく、イベントをしていたので参加しようと決めたのがきっかけです。

 

問い合わせましたが、そこは起業したい人のためというよりは、仕事を探しているための機関のようだったので、BUSINESS JOENSUUのビジネスコーチに話をきいてもらうことにしました。

 

1からビジネスをするなら少し大変な手続きが待っているようでしたが、私は問い合わせた当時すでにフリーランスとして働いていて、集客もちょこちょこしているところだったので、比較的話の進み具合は早かったです。

 

フィンランドでは開業届を出さなくてもフリーランスとして事業を進めることが可能ですが、税金の控除などを考慮して、私は事業を始めることにしました。
税金が高い国で有名ですが、開業届を出して個人事業主として働きすぎると累進課税制度があるフィンランドでは40パーセントなどに膨れ上がってしまうこともあります。そのタイミングで法人化する人が多いようです。

 

②TE toimistoに相談

起業の時に一番お世話になるのがTE toimisto(テ・トイミスト)です。

のちに記事にする予定ですが、新人の起業家のために国から最大12か月間の補助が出ます

その判断はこのTEとKEHAというところが最終的に行いますが、ほぼTEオフィスの人とのやりとりです。

 

 

私はフリーで活動していたということもあり、とりあえず私は起業手当をそもそももらえるのかということをまずTEの人に相談しました。

TEオフィスで決まっている起業手当をもらえる条件があるからです。
そして何より、いいビジネスプランを立てて信頼を得ることが大切です

To whom and on what terms

You can receive a start-up grant to support your entrepreneurship if

  • you are an unemployed jobseeker,
  • you are not unemployed, but start as a full-time entrepreneur after doing paid work, studying or household work,
  • you are a part-time entrepreneur and you expand your business into a full-time business,
  • you live in Finland and set up your business in Finland.
  • Suomi.fi のウェブサイトより引用

 

上のところを簡単に訳すと、
・失業中の求職者
・失業中ではないが、今の仕事や勉強、家事が終わってからフルタイムの事業を始める
・現在パートタイムの事業主だが、これからフルタイムの事業主になる
・フィンランドに住んでいて、フィンランドでビジネスを始める
これらに当てはまれば起業支援を受けることができるそうです。

 

各TEオフィスには英語が話せる起業支援担当のスタッフが在籍しているはずなのでご安心を。

 

ということで、私はTEオフィスの人にまずメールを送って事情を説明し、これなら起業支援をもらえることができるとのことだったので、彼の指示に従うことになりました。

 

一度担当者に会いにTEオフィスへ行って、面談のようなことをすることがあるかもしれません

 

私は何度か電話とメールで担当者と連絡を取ってから、一度来てくださいとのことでヨエンスーのTEオフィスに一度行きました。

 

大体の申請までの流れを教えてもらうことができたのと、電話やメールではとても塩対応の方だったのでお会いして印象が変わってよかったとも思いました(笑)

 

面談が必須かどうかはわかりませんが、呼ばれたら行くというスタンスで十分だと思います。

 

③新人事業主のためのトレーニングに参加

起業手当をもらうためにTEオフィスの人に参加必須と言われたのがこのトレーニングです。

英語では Training for new entreprenuers なので、直訳すると「新しい事業主のためのトレーニング」となります。

 

これはフィンランド語と英語で開催されています。

私がTEオフィスの人に初めて具体的に起業手当の連絡をとったのが2月初めだったのですが、ヨエンスーエリアでは2月の2週目はスキーホリデーだったことや、私のメールが担当者さんのスパムメールに振り分けられていたということもあって、実際に参加したのは2ヶ月後の4月からのトレーニングでした。

 

トレーニングは英語開催のものを選びました。

2022年4月11日から5月17日まで週に2,3回の講座が振り分けられています。

TEオフィス主催ですが、講師は2人とも現役の会社経営者でそこで特別講師として短期間そのコースを受け持っているとのことでした。

 

 

現役経営者の講師

 

メインの講師は自分の会社を持っていて、事業内容は主にビジネスコーチということでした。新しく事業をしている人のサポートをしているそうです。
40代のおばちゃんでしたが、気さくでとてもユーモアがある方で話し方も上手で引き込まれました。1996年に弟さんと小さな町でピザ屋さんの経営を始めたことがきっかけで今の事業を運営するようになったそうです。

得意な分野はマーケティングとのことで、たくさん彼女のテクニックを伝授してもらいました。

 

サブの先生は森林業の会社をいくつか経営している男性の先生でした。
最近は自宅のガレージで木を使った家具の販売もしているとのことでした。大学でもともと講師をしていたそうで、とても教えるのが上手な先生でした。彼は今回のトレーニングでは主にファイナンス関係の講座担当でした。

 

 

トレーニング受講者の国籍など

トレーニングを受けている人の中にはもうすでにビジネスプランを作った人もいれば、まだぼんやりとしか考えていないけど、とりあえず受講している人もいました。

私のクラスは全てオンラインだったので、最初から最後まで顔が見えなかった人も何人かいますが、国籍はこんな感じでした。

・アメリカ
・アイルランド
・ドイツ
・ブルガリア
・ペルー
・フィリピン
・インド
・中国
・香港
・日本

いろいろな国籍の参加者がいましたが、これは私の住んでいるヨエンスーに住んでいる人だけではなく、ヘルシンキ地方に住んでいる人も含まれています。

 

皆さんの考えている事業はいろいろありましたが、覚えている範囲では

・カフェ
・フィリピンレストランとショップ
・フードトラック
・税理士
・メンタルケア
・イラストレーター
・グラフィックデザイナー
・プログラミングの学校
などを皆さん考えていました。
例えばBUSINESS JOENSUUが主催している対面形式のトレーニングもありました。年に2回ほどですが、英語のコースもあります
大学生は単位がもらえるので、ビジネス専攻の学生がトレーニングを受講することもあります。

 

 

④ビジネスプランを作る

このトレーニングの一番の目的がいいビジネスプランを作ることです。

これは最初のトレーニングから最後までの1カ月ちょっとで完成しなければならない課題でもあります。

 

いいビジネスプランができるということは将来の経営を支えるだけではなく、例えば起業手当の申請や、銀行から融資を受けるためにも必須です。

 

ビジネスプランは何項目にも分かれており、ファイナンス面での計算結果なども提出が必須です。

例えば、同業者でどのような競争相手がいるのか、マーケティングにはどれくらいお金をかけて、どれくらいのお金で商品を販売すると利益が得られるのか, etc.

などなど、基本的なことから、私だけならうまくできなかったであろうことまでの指導を丁寧にしてもらいました。

 

トレーニングの他に、個人的なコーチングも最低1時間してもらうことができます。

私の場合はメインの講師にパーソナルコーチングをしてもらったのですが、1度だと思っていましたが2度してもらうことができました。

 

もちろん、トレーニング中だけではなかなかビジネスプランも完成しないので、各々家で宿題のように期限までにビジネスプランを練る必要があります。

 

 

⑤再度ビジネスコーチに連絡し、チェックしてもらう!お墨付きをもらう

ビジネスプランができたら、コーチに確認してもらい、アドバイスをもらいましょう。

 

ヨエンスーのような小さい町でもビジネスコーチは英語が話せる人がほとんどですし、移民の人もいるので移民目線からのアドバイスももらえます

 

このビジネスプランはほとんどコースの時に終わっているはずですが、

町のビジネスコーチはTEオフィスにとても信頼されているので

彼/彼女からのお墨付きがもらえれば起業手当をもらえるのに大きく前進します!

 

 

トレーニング中に見せたビジネスプランが私のものは比較的よくできていたようで(ビジネスを勉強していた夫のおかげ)、すぐにOKをもらって起業手当の申請に入りました。

 

⑥TE toimistoの担当者に連絡 & オンラインで申し込み

TEオフィスの人と面談した時に申請までの流れを書いた紙をもらっていたので、

町のビジネスコーチからお墨付きをもらってからはその紙通りにするだけです。

 

私の場合は申請に必要なものは
税金の証明書
ビジネスプラン
この2点でした。
税金は前年に支払っているのであれば、きちんと全て支払っている証明書を提示する必要があります。
(申請者が信頼できる人か、証明するものでもあります。)

それからはTEオフィスのオンラインサービスにログインして、そこから指定されたリンクで必要事項を記入すれば完了です。

 

そのフォームにファイルを添付することができるので、そのまま上記2点を一緒に送りましょう。

 

 

結果が出るのは予想よりはるかにはやかった!!!

私は税理士からよく結果が出るまでは2週間くらいかかるよ。と言われていました。

 

しかし、結果が出たのはなんと翌日!!!

2022年6月からまずは6か月間手当をもらうことができます!いぇーい

 

びっくりしましたが、早く結果が出てラッキーでした。

 

結果はTEの担当者さんから電話でもらいました。それからはどうやって申請するのかが書いてあるPDFファイルがメールで送られてきて、6月1日にその指示に従って受給の申し込みをすることになります。

 

 

注意点

起業手当を受給している間(結果が出てから)は
ビジネス以外では給料をもらったり、売り上げを得たりしてはいけないことになっています。これは本当に大切なことです。
ビジネスを受給前や申請前にすでに始めている人には受給されません。お気をつけあれ!ですが、私のように、パートタイムからフルタイムの事業者になる場合は、受給の申し込みをするまでパートタイムであれば働くことができるようです。
私は少しリスキーだなと判断したので、結果が出てから受給申請ができる1週間ほどは休みました。
この記事が誰かのお役に立てば幸いです。

 

 

 

 

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