アメリカやヨーロッパでは2022年初旬より、「ウィズコロナ」の時代へと突入したところがほとんどですね。
留学できなかった人がおそらく山ほど出た2020年、2021年。私がフィンランド・ヨエンスーで知り合った留学生たちも、ほとんどが留学時期がずれたということでした。
とはいっても2021年まではここヨエンスーにある東フィンランド大学でもオンライン授業が主で行われていました。
留学しても、なかなか本来の留学のような経験ができなかった留学生もおおいかもしれませんが、2022年になり、やっと「普通」の学生生活が送れるようになった人も多いように感じます。
みなさんは留学と聞くとやはり英語圏を思い浮かべるでしょうか。
本記事では筆者サキが経験した英語圏留学(オーストラリア)と非英語圏留学(フィンランド)の経験に基づいて、「英語力の伸び」に重点を置いて、非英語圏留学についてまとめていきたいと思います!
本記事での「留学」
さまざまな留学の仕方がありますが、本記事では学部留学について書いていきたいと思っております。
主に交換留学や正規留学で現地の学校に入り、現地の学生と同じように学習すること。
フィンランドではvisitor studentなどという呼び方の留学スタイルもあります。
留学先で生活はするものの、語学学校での語学学習をするのが前提。
語学で何かを学ぶというわけではなく、徹底的に語学力をあげるための留学。
個人個人の目的はさまざまなものの、主にこのような違いがあります。
例えば、目標言語が英語の場合
多くの学生は英語圏(アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどは人気ですね)にある語学学校での学習からスタートするはずです。
私もそうでしたが、大学付属の語学学校があるところが多いので、その語学学校で語学力を徹底的に向上させ、それからIELTSやTOEFLなどの試験で学部入学条件を満たしていれば、途中から1セメスター学部留学に切り替えることは可能でした。
語学学校にはその大学に正規留学をしたいと思っている他国からの留学生がたくさんいました。

私が行っていたところはほとんど中国から来た学生でした。
語学学校に入って平均1年ほど語学メインで勉強してから、正規の学生として入学している友達も多くいました。
この場合は語学学校が入学証明などのビザ申請に関する正式な必要書類を出してくれて、それで学生として留学します。ですが、やはり語学学校生なので、大学生のように学割が使えるところも限られていました。
学部留学は現地の学生と基本的に同等の扱いを受けるので、もちろん現地学生がクラスにいることも普通にあります。
語学学校は語学学習を重視していることから、英語を向上させたい人が英語圏にこだわるのは理解できますね。

生活まで英語漬けにして慣れていこう作戦です。
英語圏で生活していれば、日本の学校英語で培った文法や語彙力をフル回転させて英語を理解できるようになり、スムーズに聞けたり話せたりできるようになるのは大体想像がつくと思います。
私自身も、長年の学校英語教育での知識があるので、あとはそれを口に出していく作業を語学学校や私生活でしていけば英語力はそれなりに伸びを実感できました。
非英語圏での英語学習~メリット~
モチベーションが上がる!
これは英語圏にいても同じやろー!と思われる方もいるかもしれませんが。
私が留学したフィンランドの第一公用語はフィンランド語。第二公用語はスウェーデン語です。
でも、多くの人がご存じのように、フィンランドの人々は本当にきれいな英語を話します。
私の夫や友人もフィンランド語訛りはほとんどなく、癖のない英語を話しています。

都市部では特に、英語が話せると日常生活に不自由はありません。
私の母語は日本語。第二言語が英語。
夫やフィンランドの友人の母語はフィンランド語。第二言語はスウェーデン語。そして第三言語が英語。
だけど、夫や友達の話す英語の方が私のよりも数倍上手…。
そして、彼らの母語であるフィンランド語は日本語と同様全然英語と似ているわけではないのです。
オーストラリアにいるとき、英語が今よりも話せなかった私は自分の不十分な英語を見下される場面に何度か遭遇しました。でも、そのたびに私が思ったのは…

あんたらは母語を話してる。私は英語が第2言語やねん!
と、謎に開き直っていました(笑)
ですが、フィンランドではこれが通用しません。
例えばドイツ語など英語ともともと似ている言語を母語としている人にとって英語学習は日本人ほど難しいものではないかもしれません。
フィンランド語もアルファベットを使っているので、筆記においては確かに日本語で漢字やひらがな、カタカナを使っている私たちよりは学びやすいかもしれません。
ですが、英語と日本語が話せる。ということにはあまり誇りを持てないと言いますか、むしろ2か国語しか話せない自分が情けなく感じることもあります。
彼らを見習って、私も英語をがんばって話せるように練習しよう!と思える瞬間がフィンランド留学中に何度もありました。
モチベーションを保つことは簡単なように見えて実際はとても難しいです。
留学中もモチベーションが上がったり下がったりするのは当たり前のことなのかなと思います。
その下がった時に、目標とできる人が近くにいると、いいかもしれないと思います。
発言権が多くなる
フィンランドの田舎の大学に行ったからということも関係している可能性もありますが、オーストラリア留学とくらべてはるかに日本人が少ないです。
オーストラリアはブリスベンのクイーンズランド大学というところに留学をしていたのですが、留学生だけではなく、正規の学生でも日本人や日本にルーツを持っている学生が山ほどいました。
授業でも日本人や韓国人、中国人などのアジア圏の学生もたくさんいます。
そして、オーストラリアでは特に親日家の人も多いし、学校教育でも日本語が教えられているくらいなので、日本に詳しい人はたくさんいます。
フィンランド(ヨエンスー)ではまず、日本人が少ない。そもそも、アジア出身の人が少ないです。

実際にヨエンスーでは在住の日本人は私と1,2人と聞いたことがあります。
留学生は1年に10-20人ほどいるのではないかなと思います。
フィンランドの授業中特に私は教育学を専攻していたので、学生の出身国や世界のいろいろな国の教育比較をすることがよくありました。
オーストラリアではアジア人が珍しいなんてことはなかったのですが、フィンランドでの授業でフィンランド人以外の人ははほぼヨーロッパ人。ドイツ、フランス、ポーランドなどさまざまです。
アジア人というと、日本人数名と韓国人1人、タイ人が2人というような割合です。
国別比較や地域別比較の時にこのような状況なので、アジアの話や日本の話をするときに、いやでも発言しないといけない機会が増えます。
発言する機会が増えるということは、自分の頭を動かして、英語で文を考える時間が増えるということですね。
そのような機会が授業の中で多かったこともあるので、自分から話さなくても受動的に発言権を得ることができました。
いやでも説明しないといけないような雰囲気になるときもあります(笑)
それくらいしないと私は授業では少し控えめになりがちなのでありがたかったです。
いろいろな英語に触れられる
オーストラリアにもいろいろなバックグラウンドを持った学生がいるので、いろいろな英語に触れる機会は確かにありました。
ですが、私のフィンランド留学中はそれよりもはるかに多い国の人に会いましたし、いろいろな英語を聞くことができました。
後ほど詳しく書きますが、英語で会話するときに、しっかりと人が何を言っているのかが理解出来たら困らない説が私の中でありますので、いろいろな英語に触れられる機会があるということは本当にいいと思います!
ちなみにオーストラリアでは、オーストラリア人、ニュージーランド人、アメリカ、中国、マレーシア、インドネシア、シンガポール、香港、韓国、ドイツ、コロンビアなどが私の周りのひとで多かったと思います!
留学費用が安い?
これは国にもよりますが、アメリカなどの人気国とくらべると非英語圏は少し学費がお安めになっているのではないかなと思います。
そしてフィンランドではStudent unionというところに入れば(少なくとも東フィンランド大学では)大学にある診療所での診察が無料または少額になります。
2019年ごろからヨーロッパ以外からの留学生は確か授業料を払わないといけなくなってしまったフィンランドの大学ですが、、、
聞くところによれば、人気国よりはかなり格安だそうです
留学を控えている人へ
留学先をこれから決める人は特に、非英語圏留学も視野に入れてみてはいいと思います!
コロナの時代があり、日本でもオンライン教育が盛んになりましたね。それでオンライン英会話を始めた人も少なくないのではないでしょうか。
私は、個人的に学部留学をおすすめしています。
なぜなら、語学学習は日本で、オンラインでも可能になりつつあるからです。
そして、どうせ海外で生活をするのであれば、学部に入って、テストや課題に追われるのもとても刺激的な毎日が遅れると思います。
語学留学でもレポートやテストなどがもちろんありますが、授業時間が短い語学学校があったり、レベル別に分かれているので、悪く言えば自分より英語が上手な人がクラス内に少ない可能性もあります。
学部留学で全ての人が英語がとても上手だということは少ないかもしれませんが、どうせならぜひ学部留学に挑戦して、英語をツールとして、何かを学んでほしいと思います。
そして、留学は英語圏だけではありません。
これから留学がまたメジャーになるころにはまた、私が見たような日本人がわんさかいるブリスベンの街並みに戻るかもしれません。
非英語圏でも交換留学を積極的に受け入れている大学であれば英語開講の授業でも十分すぎるほどの選択肢があります。
英語で授業は受けつつも、スーパーや日常会話で違う言語に触れることができるのも面白いと私は個人的に思います。そして、英語の他に勉強したいと思える言語に出会う可能性もあります。
英語を話すために本当に大事なこと?
英語を話すときに、日本人の方の大半は「話せるようになりたい」と考えられるのではないでしょうか。
私もそうでした。
話せないから、自分から話せるようになりたい。
でも、オーストラリアに行ってみて、ホストファミリーのこてこてオージーイングリッシュが最初全くと言っていいほどわかりませんでした。
ゆっくり話してもらうと、聞き取れる。
でも、話すスピードがはやくて、ついていけない。
そして、単語単語で区切ると理解できるのに、オーストラリア英語独特の言い回しが、わからない。
フィンランドに来て、イギリス英語を話す人とたくさん出会いました。そして、友達グループにインド人がいるので、インド英語にも触れる機会が増えました。

フィンランドに来た時の私(そして現在のわたし)はオーストラリア時代よりも英語力は格段に上がっているはずなのに、どうして会話できないんやろう
確かに癖のある英語かもしれませんが、夫は問題なく彼らとお話ししていました。
私だけ遅れていました(笑)
この原因は、おそらく私がバラエティ豊かに英語を学習していなかったことだと思われます。
リスニングができて初めてリーディングにつながるのだと、痛感したのは2021年でした(遅)
留学に興味のある皆さん、いつか留学したいと思っている皆さんはぜひ今のうちにいろいろな英語に触れてリスニング力を培ってください。
映画でもいいし、友達を作るのでもいいし、オンライン英会話でいろいろな出身国の先生を選ぶようにしてもいいですね。
国を固まらせないことが一番重要だと思います。
日本の教科書は大体がアメリカ英語。例えばヨーロッパの学校で勉強する英語はほぼイギリス英語です。
将来、アメリカで働きたい、アメリカに住みたいからアメリカのドラマをたくさん見よう!
ということでもないんです。
アメリカにもさまざまな人種やバックグラウンドを持つ人がいるし、その分いろいろな英語に触れる機会は多いはずです。
今から偏らない英語学習をして、ぜひ、留学に備えてください。
皆さんの留学が楽しく、素敵なものとなりますように。
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